愛犬・権三のLA薬物疑惑

日々の生活


【救急搬送】愛犬・権三が謎の歩行困難に!?~AIも予測不能だった衝撃の診断名と、一晩5000ドルの見積書に夫が見せた謎のプライド~

恐怖のプロローグ:唯一の癒やし、権三の異変


夫の解雇、姑・梅子の襲来、元妻アンネの不法投棄。 そんなバグだらけのアメリカ生活の中で、私の唯一無二の癒やしと言って過言ではないのが、愛犬の権三(ごんぞう/仮名・ドーベルマンハーフの俊足イケメン犬)です。権三がいなかったら、私はとっくの昔に心がポッキリ折れていたと思います。

そんな我が家の天使・権三に、ある日とんでもない異変が起きたのです。


いつもなら私がいる部屋か、ロナルドの近くにピトッと寄り添っているはずの権三が、なぜか寝室から頑てに出てこない。初めは寝ているのかと思ったのですが、かすかに「ピー…」と切ない鼻を鳴らす音が聞こえた気がしました。 (我が家のエアコンは異常に爆音なので確かではなかったのですが)、胸騒ぎがして部屋を覗くと、権三がじっとこちらを見つめて座っている。


これを3度ほど繰り返し、「絶対に様子がおかしい」とロナルドに報告しました。 ロナルドが「こっち来いよ!」と無理やり立たせたのですが……なんと、権三の足がちゃんと立っていないのです。


慌てて抱っこして、私が作業している部屋のベッドへ運ぶと、立つには立つものの、完全にへっぴり腰。 「脚が痛いの…!?」と私の脳内に一気に緊張が走りました。

事件はリビング、そして外へ


その後、ロナルドがリビングに運ぶと、今度は権三の足元からちょっとずつ尿もれが始まりました。 慌てて外に連れ出すと、大量のおしっこ。 「あー、おしっこがしたくてへっぴり腰だったのね!」と一瞬ホッとしたのも束の間、すぐに第2の異変に気づきます。


散歩の歩き方が、明らかに変なのです。 いつもならグイグイ私を引っ張って爆走する俊足の権三が、全く強く引っ張らない。そして家に戻った瞬間、足がもつれて、ついに自力で立っていられなくなってしまったのです。


「早く!!! 病院に行こう!!!」 パニックになりかける私、ロナルドを急かして車を飛び出し、夕暮れの獣医へと猛スピードで向かいました。


ここからが、アメリカの洗礼です。 1軒目は閉まっており、命がけで探した2軒目はなんと「3~4時間待ちです」と門前払い。 しかし、その2軒目の待合室で、他の患者のパパ(飼い主)から不意にこう声をかけられました。


「なんて美しい犬なんだ……!」


絶望の淵にいた私ですが、脳内で一瞬『あら、飼い主に似たのかしら?✨』とほくそ笑む余裕が生まれました。……いや、喜んでる場合じゃない。我が子の命がかかっているのです。3軒目の救急へ急ぎました。

受付女子の一言と、暴かれた身内の犯行


3軒目の救急に転がり込んだ瞬間、受付の女子が権三のふらふらした足取りを見るなり、信じられない一言を放ちました。


「……これ、マリファナじゃない?」


え? マリファナ?? 「灰でも舐めたんじゃないかしら?」と平然と言う受付嬢。


実は病院に向かう車中、私はスマホでAI(人工知能)に「犬の歩行困難」「へっぴり腰」などのキーワードで聞きまくっていたのです。「神経性の疾患」とか「犬は痛くても黙っている」とか、シリアスな情報ばかりで胃を痛めていた私。AIのデータに「大麻」なんて一文字も出てきませんでした。


「ドラッグの検査(検尿)をしてもいい?」と言われ、藁にもすがる思いでOKを出し、待つことしばしば。 検査の結果、見事に「マリファナ陽性」でした。


……ここで全ての点と線が繋がりました。 我が家の夫・ロナルドは、実は常用者(※カリフォルニアでは合法です)。彼は外で吸ったあと、地面に火種を擦り付ける癖があるのです。それを、我が家の食いしん坊イケメン権三がペロリと舐めてしまった可能性が大。


どこかの大病ではなく、身内の不始末による「ドラッグ中毒」だったというオチ。 そして、その原因究明のためだけの検査費用、


430ドル(約6万5000円)。チーン。(2026年6月レート)

5000ドルの見積書と、無職の男の見栄


原因が分かって一安心したのも束の間、獣医がさらに恐ろしい追加トッピング(見積もり)を提示してきました。


「熱が平均より華氏で4度(摂氏で約2度)高いから、熱を下げるための点滴(毒抜き)が必要ね。一晩入院してもらうと、5,000ドルかかるけどどうする?


ご、ご、ごせんドル……!?!? 日本円にして、約75万円(2026年6月レート)です。一晩の犬の入院に75万円!?


アメリカのペット保険に入っていない我が家です。元内部監査人としての経済脳がフル回転しました。「命に別状がないなら、家で水をたくさん飲ませて看病した方が絶対にコストベネフィットに合う」と瞬時に査定。


すると、獣医が「じゃあ、自宅用に処方薬を出すから……(もう後半は英語が速すぎてワカリマセン)」と言いかけたその時。 我が家の解雇後自営業絶賛奮闘中(つまり無収入)の夫・ロナルドが、キリッとした顔でこう言い放ちました。


ロナルド:「ノープロブレム。5000ドル?払えるけど、今日はうちに連れて帰るよ(ドヤァ)


……払えねーだろ!!!(心のド真ん中からのツッコミ) 無収入のあんたがこの緊急事態に「犬を最高にケアできるリッチな俺」のスタンスで謎の見栄を張る局面じゃないのよ!


もちろん、本当に命に関わる緊急事態なら家を売ってでも入院させますが、医師も「自宅で様子見でも大丈夫」というニュアンスだったので、私たちはそのまま権三を連れて帰宅しました。


現在、我が家のイケメン権三は、自宅のベッドで薬が抜けるのを待つため、泥のようにぐっすりと眠っています。


これが、アメリカの獣医のリアルです。 私は日本で犬を飼ったことがないので日本の相場が分からないのですが、一晩75万円って、どうなのでしょうか……。 皆さんも、ロサンゼルスで犬を散歩させる際は、道端の「不審な灰(身内のもの含む)」にくれぐれもご注意ください。

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