アメリカ人と結婚し、希望を胸にロサンゼルスへ引っ越してきた私。
渡米直後、夫のロナルド(仮名)は私のために有給休暇を1週間とり、新生活の世話を至れり尽くせりで焼いてくれました。
「アメリカの会社って、家族を大切にしてくれて本当に素敵ね!」なんて、おめでたいお花畑脳でいた私に、アメリカ社会は渡米8日目の朝、容赦ない鉄槌を下してきたのです。
目次
出世の予感から、わずか5分で「無職」へ
その日の朝、在宅勤務のロナルドは意気揚々とパソコンに向かっていました。
「チャコ、今日から仕事復帰だよ。朝イチで急に全体会議が入ったんだ。こんな時間に珍しいから、もしかしたら僕、出世しちゃうかも!
鼻歌まじりでログインしたロナルド。
……そこから、わずか5分後のことです。
パソコンの前で、文字通り「魂が口から抜けたような顔」で呆然とフリーズしているロナルドがいました。 なんと、出世のお知らせどころか、その場で一瞬にして解雇(レイオフ)されたのです。
15年以上も真面目に勤め上げた会社から、事前の予告もなしに、画面越しに「今日で終わりね、バイバイ!」と言い渡される世界。これが噂に聞く、アメリカの「Employment-at-will(随時雇用・いつでもクビにできる原則)」の洗礼ですか。コンプライアンス精神の塊である私ですら、あまりのスピード感に脳の処理が追いつきません。
日本から来たばかりの妻(ビザがないから働けない)を養う気満々だったロナルドのプライドは粉々に砕け散り、家の中は一瞬で通夜のような空気になりました。
パニックになった私は、アメリカ在住の日本人先輩たちにLINEや電話をしまくりました。が、彼女たちの返答は驚くほど軽い。
「あー、アメリカじゃよくあるよ!大丈夫、3ヶ月もすれば次が見つかるって!」
ポジティブかよ! こっちは全財産失う覚悟の緊迫感なんですけど!?
怒涛の不幸3連コンボ:チャコ、スピリチュアルに目覚める
しかし、神様はロナルドのメンタルをさらに追い詰めます。ここからの1週間の転落ぶりが、もはやコントの領域でした。
- クビの3日後: 我が家の愛犬(ドーベルマンハーフの権蔵・仮名)が、近所の子犬に突撃。止めに入ったロナルドは、手首を激しく噛まれて「病院で6針縫う大怪我」を負う。なぜかお尻にも謎の注射を打たれる。
- さらに3日後: 怪我をした手で、慣れない手つきで私にリンゴを剥こうとしたロナルド、包丁で自分の手をざっくりカット。再び流血騒ぎ。
失業、犬害、自爆。
「結婚すべきじゃなかったってこと!?」と、私の中のスピリチュアル魂が目覚め、厄払いの塩を撒き散らしたくなったのは言うまでもありません。実際、盛り塩を始めました。
「調子に乗る夫」と、終わらないジェットコースター
その後、ロナルドは知人と一緒に新事業を立ち上げました。
立ち上げ当初の半年以上は、もちろん収入ほぼゼロ。私はグリーンカードが出るまで働く権利すらありません。
生きた心地がしない日々でしたが、ロナルドの仕事に、徐々にクライアントがつき始め、収入が安定してきたのです。 ここで大人しくしていればいいものを、アメリカ人(というかロナルド)の恐ろしい特性が発動します。 ちょっとお金が入ると、すぐ調子に乗る。
「事業が軌道に乗ったから、家を担保にローンを組んで、フェンスを新しくしよう!窓もドアも最新式に変えちゃうぞ!」
元金融監査人の私のアラートが「やめとけ、固定費を上げるな!」と大音量で鳴り響いていたのですが、ロナルドの暴走は止まらず、我が家はピカピカにリフォームされました。
……そして、現在。 お察しの通りです。その大口クライアントから契約を切られ、我が家は再び「無収入」のデッドゾーンへ突入いたしました(白目)。
💡 今回のまとめ:だからこそ、私は自立する
アメリカの仕事事情は、本当に容赦がありません。昨日まで天国にいても、明日には奈落の底に落とされる。それがこの国のリアルです。
現在、無収入に戻った我が家ですが、2年半前の私と今の私は違います。
当時の私は「ビザがない、英語ができない、夫に頼るしかない」と部屋の片隅で震えていましたが、今は違います。
夫がどん底の時こそ、私が自分の足で立ち、家計を引っ張るくらいの経済力を持たなきゃいけない。「男に経済的に依存する結婚生活は、アメリカでは一瞬で崩壊するリスクがある」ということを、ロナルドは身をもって私に教えてくれたのです(ありがとう、でもリフォーム代は呪うわよ)。
これから私は、金融キャリアを武器に資格を取り、自分の名前で稼ぐプラットフォームを絶対に作ります。
アメリカの激しい荒波に揉まれている在米妻のみなさん、夫の収入が乱高下しても、私たちが強くなればいいのよ! とりあえず、我が家がこの大ピンチをどう切り抜けるか、生あたたかく見守っていてくださいね!


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